妊娠中のむくみは妊婦の悩み!その原因と対処法10選

妊娠中、多くの女性が悩まされる「むくみ(浮腫み)」

むくみと言っても、手のむくみや顔のむくみなどいろいろとあります。中でも、妊婦さんにとって一番つらくてしんどいのは、足のむくみなのではないでしょうか?

妊娠期は当然体重も増えますし、その体をたえず支え続けている足には、どうしても負担がかかりやすくなります。そもそも体自体がむくみやすくなっている時期でもありますから、そのままにしていると解消が難しくなってしまう可能性もあります。

いくつかのケアや対処法を知って入れば、その時々で自分に合った方法を試してみることができるでしょう。

この記事では、むくみの基本的な知識から、そのさまざまな解消法を10種類ほどピックアップしてご紹介します!

ぜひ、つらいむくみの解消に、役立ててみてくださいね。

 

むくみって何?どんな現象なの?

まずは、妊娠中に起きるむくみのメカニズムから知っておきましょう。

体の中で何が起きると、私たちの体はむくんでしまうのでしょうか?

 

むくみの原因

むくみという現象は、体の中に水分が溜まってしまい、腫れている状態のことです。むくみそのものによる痛みはありませんが、圧迫感が強く「足がパンパンになる」とも言いますね。

妊娠をしていなくても、次のようなことに当てはまる人には、特に起こりやすい症状です。

  • 塩気を多く含むものばかり食べている
  • デスクワークなど、ずっと同じ姿勢でいることが多い
  • 日頃から運動不足

むくみに悩んでいるのは女性が多いですが、それは元々下半身の筋肉が男性に比べると少ないからです。このむくみには、慢性的に悩まされている方も多いのではないでしょうか?

 

妊娠を原因とする生理的なもの

妊娠している方の場合はさらに、ホルモンバランスの変化によって、体が水分を蓄えるようになっていきます。なぜなら、血の流れを良くすることによって赤ちゃんに十分な栄養が運ばれるよう、血液の中の水分量が急激に増えていくからです。

体の中に溜まった水分は、なかなか排出されませんから、こうなると足だけでなく全身がとてもむくみやすくなってしまいます。

また、赤ちゃんが成長するにつれて子宮の大きさが拡がりその圧迫によって、下半身か心臓へと戻る「静脈」の血流が妨げられてしまうことも原因のひとつです。

この場合は、出産まではむくみが続いてしまうことがほとんど。

体重も増えて足への負担も大きい中、血の巡りも悪くなってしまうなんて……。仕方のない現象とはいっても、なかなか辛いものですね。

 

妊娠高血圧症候群によるもの

足だけでなく顔や手(指など)のむくみもひどく、また加えて高血圧の状態が続くような場合は、「妊娠高血圧症候群」を疑う必要があります。

この病気は、以前までは「妊娠中毒症」と呼ばれていたもので、重症化すると母体にも赤ちゃんにも危険が及びます。しかし、きちんと妊婦検診を受けていれば、尿検査や血圧検査を通じて早期発見できる可能性が高いです。

勝手に「妊娠しているからだろう」と判断してしまわずに、少しでも気になる症状や異変があったら、かかりつけの病院へ行くようにしましょう。

 

むくみの時期

妊娠中の女性がもっともむくみやすい時期は、妊娠中期から妊娠後期の間で、特に後期がひどいと言われています。

妊婦さんの体験談では、妊娠後期に特に「足首のくびれがなくなってしまった」「今まではけていたブーツもはけなくなってショックだった」「歩くのもたいへんだった」といった声があります。

やはり、それまでむくみを気にしたことがなかったような人であっても、ある程度は避けられない症状なのですね。

逆に、妊娠初期から妊娠28週未満の間に、全身にむくみが見られるという場合、心臓・腎臓の病にかかっている可能性があります。気になる時は、主治医に相談をしてみましょう。

大体の場合は、赤ちゃんの成長とともに子宮が広がる(お腹が大きくなる)ことで、圧迫されて下半身の巡りが悪くなるので、妊娠後期がもっともつらい時期だと言えるでしょう。

 

むくみに効果的な対処法10選

ここからは、多くの妊婦さんがお悩みのむくみを、どうやって「解消」するかにスポットライトを当てていきましょう!

ここでは、さまざまな方向から、10種類の方法をご紹介していきます。まずは、できるところから試してみてください。

 

マッサージ・ストレッチ

むくみを解消するためには、足の筋肉の状態がカギになってきます。血行を良くして筋肉を活性化させることで、足に溜まってしまっている水分・血液を心臓まで押し返すことができるからです。

筋肉が凝り固まった状態では、そのポンプのような役割を十分に果たすことは叶いません。まずは、筋肉をマッサージやストレッチによって丁寧にほぐし、柔らかな状態にしておくことが重要だと言えるでしょう。

マッサージは、必ず足先から足の付け根の方向へ、下から上に行っていきましょう。足の下の方に溜まってしまったものを、マッサージの力によって上へ上へと流していくことができます。やさしい力で撫でるように、その流れを生み出してあげるようにしてください。

肌が乾燥しがちな妊娠後期には、マッサージクリームやオイルを用いてみると、保湿効果もあるので一石二鳥。ツボ押しなども取り入れると、さらに良いでしょう。

ストレッチは、基本的に「安静に」とされている妊婦さんにとって重要な、体をほぐす方法のひとつです。体調と相談しながら、無理なくできる範囲のことを試してみることをおすすめします。緩やかな動きですから、激しい運動ができなくても筋肉を刺激することが可能です。

最近は、寝ながらできる安産ストレッチや、マタニティヨガなども流行っています。動画などでも、手軽にその方法を知ることができます。

ただしお腹が大きいと、なかなか自分ひとりでマッサージやストレッチを行うことが難しい場合もあるでしょう。

そんな時は、パートナーや家族など、人にサポートしてもらいながら行ってみてください。妊娠期間の重要なコミュニケーションにもなりますよ!

 

ウォーキングなどの軽い運動

お腹が大きくなるにつれて、どうしても動くこと自体大変になってきますよね。ちょっとした運動も大変だし面倒……と思ってしまうかもしれません。

しかし、出産には体力が必要ですし、運動不足はなるべく解消しておかなくてはなりません。

とはいっても、急激な運動・激しい運動は、お腹の赤ちゃんにとってマイナスです。やはり適度なのはウォーキングでしょう。くれぐれも転ばないように、はき慣れた靴(スニーカーなど)で行うようにしてください。

買い物や散歩など、毎日20~30分程度歩くように心がけてみると、代謝が良くなって血液の循環も促されます。

自分にとって「苦にならないウォーキング」の手段を見つけてみませんか?

例えば、音楽を聴きながら歩いてみたり、好きな場所への移動に歩くという手段を織り交ぜてみたり。仕事がデスクワークだという人なら、帰り道一駅分を歩いてみるなども気分が変わっていいかもしれません。

暑い季節であれば、夕方以降に木陰を散歩するなど……。続けていくためには、できるだけ「負担」と感じない方法を選ぶことが重要ですね!

 

食事を意識して塩分摂取を減らす

塩分の摂り過ぎに注意する

妊娠中に限らず、むくみの原因のひとつには、塩分(ナトリウム)の摂りすぎが関わってきます。

塩分は、体内に水分をため込みやすくなってしまう原因。塩分の摂取量は、女性の場合1日8グラムまでが理想です。もし「妊娠高血圧症候群」と診断されている場合は、症状が軽い時で7グラム以下重い場合は3~5グラム以下となります。

とは言っても、現代人の食生活は、無意識に塩分を摂りすぎてしまう環境であると言えるでしょう。調味料を減塩タイプにしたり、味付けを濃くし過ぎないこと、即席系やレトルトなどの出来合いの食事を避けることなどがポイント。

自炊する場合は、「だし」をうまく活用すると、調味料が少なくてもうまみを感じられるのでおすすめです。

 

体内から塩分の排出を促す

また、摂ってしまった塩分の中にあるナトリウムを体から排出してくれる働きを持つ栄養素に、カリウムがあります。

これを含む食材を積極的に取り入れることで、体の中からも塩分排出を促していく方法が効果的です。

カリウムを多く含む食品を、ご紹介しておきましょう。

  • 海藻類:ワカメ、昆布、ひじき、海苔など
  • 豆類:納豆、大豆、小豆、きなこなど
  • 果物類:バナナ、梨、スイカ、アボカドなど
  • 野菜類:パセリ、ほうれん草、トマト、きゅうり、枝豆、とうもろこしなど(特に夏野菜)
  • いも類:ジャガイモ、さつまいも、サトイモなど

このように、カリウムは身近な食材から摂取することが可能なので、少し意識しておけば食事から取り入れることが十分可能なのです。

ただし、このカリウムは腎臓が弱い人にとっては、摂り過ぎに気をつけなくてはならないという点も考慮しておきましょう。腎臓が健康でないと、カリウムが排出されることなく体内に溜まってしまうのです。何事もほどよいバランスで摂取をすることが大切ですね。

 

常温の水を飲む

妊娠中の方は、ついつい「むくみ」を恐れるあまり水分の摂取まで控えてしまうということもあるようです。

しかし、水分補給自体を怠ると血流自体が悪くなってしまい、むくみよりも何倍も怖い「血栓症」になるリスクが6倍近くに跳ね上がってしまいます。

水は、こまめに少しずつ摂っていくと良いでしょう。また、冷たい水は体を冷やして反対にむくみを招いてしまいますから、常温~白湯などで水分を摂取するようにしてください。

 

体を冷やさない

冷えはむくみの大敵です。

自分自身では意識していなくても、人間は「肌寒いな」と脳が判断すれば体が勝手に反応して、筋肉が緊張を続けます。つまり、勝手に硬く凝り固まって、血行が悪い状態になってしまうわけです。

肌寒いくらいの環境であれば、上に1枚羽織るだけでも、だいぶ感覚に変化があるはず。

特に、体は心臓から遠い、末端部分から冷えていきやすいもの。体の一部が冷えてしまうだけで、その冷えが体全体の代謝を下げてしまいます。

悪循環を生まないためにも、冷えを感じやすい手足や、また冷えが体調に直結しやすい首回りやお腹周りなどにも同時に気を配るようにしましょう。

 

締め付けのない服を着る

妊娠中は、できるだけ体にゆとりのある服を着るように心がけてください。

むくみは血流が悪くなると、ひどくなります。日常の服はもちろん、就寝時のパジャマや下着のサイズなども、その時の体に合っているものを選ぶことが大切です。

妊娠前のようにオシャレをしたいという人もいることでしょうが、最近はマタニティ用の可愛くて楽に着られる洋服も増えてきました。専門店などもありますから、それらを使って妊娠期間を快適に過ごせる服を見つけてみませんか?

 

足を少し高くする

足がだるいなと感じる場合は特に、眠る時に足の下にクッションを挟むなどして、足の高さを少し高くしてあげるようにしましょう。

そうすることで、立ちっぱなしや座りっぱなしで足に溜まってしまっていた血や水分、老廃物を体の方に流していくことができます。

長時間座っている場合も、足を乗せる台などを用意して少し膝の位置を高くしてみると、太ももの圧迫が緩和されて血流が良くなります。

また、これも基本的なことですが、姿勢も重要です。猫背や前傾姿勢は、根本的な血行不良の原因となりますから、日頃から体の正しいポジションを意識して過ごすようにしましょう。

 

着圧ソックス・弾性ストッキング

今は足のむくみに悩む女性のために、さまざまなアイテムが登場しています。

むくみ解消を目的とした、着圧ソックス弾性ストッキングなどは、はいているだけでむくみ解消へ一役買ってくれる便利なアイテム!

妊娠してからも仕事を続けるという妊婦さんにとっては、はくだけでむくみ解消効果が期待できるというのはありがたいですよね。

有名どころでは、ドクターショールの『メディキュット』や、ピップの『スリムウォーク』や、タビオの『靴下屋』で買える「加圧・着圧ソックス」などがありますね。

日常生活ではくものや、就寝時にはいて寝るタイプのものなど、さまざまな商品が出ています。自分のライフスタイルに合わせて、ピッタリの商品を使ってみてはいかがでしょうか。

 

足を温める(足湯など)

足がだるい時には、入浴足湯などをして、積極的に足を温めるようにしてください。

女性は冷え性に悩みがちですが、足から血行を良くすることはむくみの改善に直結しています。

特に体の末端である手足は、夏でもクーラーによる冷えが深刻になりやすいもの。室内や電車内で足が冷えることがありますから、サンダルなどで素足になることは避け、靴下をはくようにするだけでも違います。

もちろん冬は、ブランケット足先に貼るカイロを使うなどの対策が不可欠ですね!

朝は足先がすっかり冷え切っている……ということもありますから、起きてまず5分程度の足湯をする、というのもおすすめです。その時に白湯を飲むなどすれば、体の中から足先まで温まって効果が倍増します。

 

漢方薬を服用する

むくみに対する効果のある薬と言っても、妊娠中は自由に薬が服用できるわけではありません。

そこで、漢方薬を使ってその解消を促す方法もあります。

むくみに効くとされているのは、次のような漢方薬です。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)/女性のむくみ体質だけでなく、妊娠中のつわりやむくみにも効き、生理による不調にもおすすめ
  • 五苓散(ごれいさん)/一般的なむくみ対策で代表的な漢方で、水分過多による、頭痛・だるさの解消に効果的
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)/水を体に溜め込んで太りやすい方向けの漢方で、ダイエットをしたいけれど関節痛などで運動ができない方にベスト
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)/腎臓の力が衰えて、水分代謝が悪くなったことによるむくみを解消し、足の冷えや腰痛・関節痛の方に最適

これらの漢方薬も、服用については念のため、あらかじめ医師に相談しておくことが大切です。

 

自分なりの習慣を作って乗り切ろう!

さて、いかがでしたか?

このように、多くの妊婦さんを悩ます「むくみ」には、対処のためのさまざまなアプローチ方法があるんです。

人によっては、効果があまりないと感じる方法や、ライフスタイルに向いていないと感じる方法もあるかもしれません。

できるだけ多くの選択肢やアイディアを知って、ぜひ辛いむくみから解放される、最良の手段を見つけ出してみてください!

妊娠期の極端なむくみの症状は、多くの場合出産で解消されるということです。そこまでを無事に乗り切るためにも、この記事の知識をお役立ていただければ嬉しく思います。